相続に関わる税金対策について

相続税対策相続税のプロとタッグを組んであなたのケースを検討致します

弁護士奈良 洋
<監修者> 協力税理士 奈良 洋
税制は毎年のようにめまぐるしく変わります。改正点をお客様にわかりやすくお伝えするとともに、どのように対応していくのか、依頼者様の意向に沿ったご提案をしていきたいと考えています。

節税の考え方は、大別すると「贈与(相続財産を減らす)」と「相続財産の評価を下げる」方法の2通りです。

贈与を利用した対策

暦年贈与を利用した対策

贈与税は、年間110万円の基礎控除額が認められています。同じ1000万円を贈与するにしても、一度に1000万円を贈与してしまうと贈与税申告及び納税が必要ですが、毎年100万円ずつ10年かけて贈与すれば贈与税はかかりません。但し、贈与の方法には、注意が必要です。

そのほか、贈与税の非課税措置については以下のページをご覧ください。

贈与税の非課税措置について

配偶者控除を利用した対策

婚姻期間20年以上の夫婦間で、居住用不動産の贈与または居住用不動産取得のための金銭贈与であれば、課税価格ベースで2000万円までは贈与税がかからないという制度です。暦年贈与の基礎控除額と合わせれば、2110万円までは非課税です(但し、申告は必要です)。

なお、贈与を受けた人が、贈与した日の翌年3月15日まで居住すること、過去に同じ配偶者からの贈与について、配偶者控除の適用を受けていないことが、適用の要件となってきます(相続税法21条の6)。

この贈与税の配偶者控除を利用して贈与された財産は、相続開始前3年以内に行なわれても、相続財産には含められないので、相続税もかかりません。そのため、節税対策として有効といえるでしょう。

評価を下げる対策

小規模宅地等の特例【4つの特例】

この特例が適用されると、土地の評価額が最大80%減額されます(措置法69条の4)。小規模宅地等には、次の4つが該当します。それぞれ、要件、減額割合、評価限度面積等が決められております。

1.特定居住用宅地等 被相続人等の居住用宅地等のことです。
2.特定事業用宅地等 自営業者等が店舗・工場等事業用に使用していた宅地等のことです。
3.特定同族会社事業用宅地等 被相続人及び被相続人の同居親族の持ち株割合が50%を超える同族会社の事業用地として、被相続人が、同族会社に貸し付けていた宅地等のことです。
4.貸付事業用宅地等 被相続人等が事業として人に貸している貸宅地・貸家建付地(宅地に一戸建ての貸家、賃貸アパート及び賃貸マンションを建てている土地)、駐車場等のことです。

親子で同居すると…

小規模宅地等の評価減の特例については、宅地等の要件のほか、誰が承継するかにより、特例を受けられるか否かが決まります。
特定居住用宅地等については、被相続人の配偶者、被相続人の同居の親族が対象となるほか、別居の場合には、過去に持ち家に住んだことがないなどの厳しい条件が求められます。これらの相続人が申告期限までに住み続け、かつ所有していれば特例適用が受けられるのです。

自己株式対策

株式とは、均一的な細分化された割合的な社員権、つまり、会社の経営権を分割し、その権利を証券化したもののことであり、自己株式とは、発行会社が保有している自社の株式のことです。株主が亡くなると、株式も他の財産と同じように相続の対象となります

日本経済を支える中小企業は、所有(オーナー)と経営(社長等役員)の分離がなされていない会社が多く、経営者が100%株主である、いわゆるオーナー企業が多いようです。株式は、前述のとおり、自社で保有する分割された会社の経営権なので、オーナー企業の場合、臨機応変な経営判断のために、特に株式を分散させないよう気を付ける必要があります

また、自社が優良企業の場合、株式の評価が高くなり、その結果、相続税も高額になります。相続人が、相続財産及びその固有の財産から支払えればよいのですが、それができない場合、残された方法は、物納(そのもので税金を納めること)もしくは、株式を換価(売却)してその代金で納めることです。しかし、自社株式が会社の所有権・経営権であることから、物納・換価は難しいでしょう。そこで、株式の評価を下げる方策が必要になってきます。

その他の相続税対策

養子を利用する対策

法定相続人を増やして非課税枠を拡大させます。但し、相続税法上、養子を法定相続人に含めることができる人数が決まっていますし、不当な税金逃れの目的として養子の数を増やしたときは、その養子を「法定相続人」の数に含めないという規定もあります。

また、税法上法定相続人に含まれなかった養子でも、民法上は相続人になりうるため、養子を増やした結果、他の子の相続分が減ってしまうのでかえってもめごとを起こしうることもあります。慎重に検討・協議が必要です。

生前にやるべきこと

自宅のリフォームや、将来必ず必要になるメンテナンスなどは、元気なうちにやっておきましょう。亡くなられた後の修繕費は相続税の控除になりません。お墓や仏壇・仏具などの祭祀財産には相続税がかかりません。これら祭祀財産の購入やメンテナンスについても、亡くなった後では相続税対策になりませんのでご注意ください。

本ページの内容は、2023年7月時点の法令をもとに作成しています。

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