遺産分割

遺産分割審判とは?調停から審判までの流れ

代表弁護士山田 冬樹
<監修者> 代表弁護士 山田 冬樹
依頼者が「やってほしいこと」と、弁護士が「できること」をすり合わせ、依頼者の納得を得ながら、現実的にできる最大限の成果を目指し、最終的に「この人に頼んでよかった」と思われるように努めています。

遺産分割をめぐって相続人同士で揉めてしまい、遺産分割調停でもまとまらなかった場合、次の法的な手続きとして遺産分割審判という手続きがあります。ここでは、遺産分割審判とはどういう手続きか、どのような場合に審判手続になるのか、調停から審判までの流れ、審判手続で弁護士に依頼するメリットについて説明します。

遺産分割審判とは?

遺産分割審判は、裁判官が当事者の主張や提出された資料に基づいて、遺産分割方法について判断し、決定する手続きです。審判という名前は聞きなれないと思いますが、家庭裁判所が行う裁判という意味にとらえていただいて結構です。
遺産分割協議や調停では話し合いを通じて解決を図りますが、遺産分割審判は、審理を行ない、同手続の中でも和解ができない場合、最終的に遺産分割方法の判断が下されます。

もしも審判に不服があるときは、審判の告知を受けた日の翌日から起算して2週間以内に不服の申立てをすることができます。これを即時抗告といいます。即時抗告をすると、高等裁判所にて審理を行なうことになります。

不服の申立てをしないで2週間が過ぎた場合や高等裁判所で不服申立てが認められなかった場合には審判は確定します。

調停が不成立になったら、自動的に審判手続へ

審判手続は、調停手続を経て行なわれます(これを調停前置主義といいます)。調停手続は、調停委員が仲立ちし、話し合いで当事者間の合意を目指す手続きです。しかし、当事者間で合意に至らず、調停が不成立になった場合は、自動的に審判手続へと進みます。
審判手続きでは、生前贈与等も遺産に含めるべきか(特別受益の争い)、生前に被相続人の財産の維持又は増加について特別の貢献を遺産分割上考慮すべきか(寄与分の争い)、遺産の範囲に争いはないが、具体的にどう分けるか(分割方法の争い)といった法的な争いが審理の対象となります。

調停から審判までの流れ

調停から審判までの流れが次のように進みます。

① 調停が不成立

調停手続で合意に至らない場合、調停が不成立となります。
もっとも、他の相続人は合意できているのに、一人だけ調停に参加しないため、全員の合意が得られないという場合、裁判所は他の相続人の合意内容で審判(調停に代わる審判)をすることができ、不参加者含め、2週間以内に誰からも異議がでなければ審判が確定します。

② 審判の第一回期日が決まる

必要に応じて、期日までの間に主張書面や資料を家庭裁判所へ提出します。相手からも提出される可能性があります。

③ 期日に出席する

指定された日に家庭裁判所に行き、出席します。調停では、相手と顔を合わせる必要がありませんでしたが、審判では相手も同時に出席するため、相手と対面することになります。

④ 何度か期日が設定され、その都度出席する

期日が繰り返され、その度ごとに出席します。
調停は話し合いの場ですが、審判は裁判所が法的判断のもと、遺産分割を決定する場ですから、事実関係について争いがあれば、通常の裁判と同様に証人尋問も行われます。
調停と違い、裁判官(正しくは審判官といいます)が、事実についての自分の判断をもとに、申立人の主張が正しいと考えれば相手方に譲歩を迫り、相手方の主張が正しいと思えば申立人に譲歩を迫り、積極的に事件に介入し、結果合意が得られれば調停が成立します。

⑤ 審判が下る

期日を繰り返しても、合意に至らない場合は、最終的には裁判官によって審判が下ります。
もしも審判に不服があるときは、2週間以内に即時抗告をします。即時抗告をすると、高等裁判所にて審理が行なわれます。

弁護士に依頼するメリット

① 法的な判断を弁護士に任せられる

遺産分割審判は、調停と異なり、主張が不十分であったり、証拠が不十分であれば、裁判官から譲歩を迫られ、さらには証人尋問手続も行われるので、弁護士に依頼しないで本人だけで行なってしまうと、自身の主張をうまく伝えられなかったり、必要な資料が分からず適切な証拠を出せなかったり、尋問で不利な回答をしてしまい、相手の主張に沿った形の調停、審判になってしまう可能性があります。

② 弁護士が代理人として裁判所に出席できる

上の流れでも説明したように、何度か期日があり、その都度出席しなければなりません。弁護士に依頼した場合、弁護士が代理人として裁判所に出席することができます。

③ 弁護士が、裁判所、相手方との対応窓口となる

弁護士が代理人となった場合、裁判所や相手方との連絡、書面のやりとり等はすべて弁護士が行ないます。

遺産分割事件の期間

裁判所の資料として、遺産分割事件に関する統計が公開されています。2020年度は、遺産分割事件の総数は11,303件でした。これらの事件に要した審理期間の内訳は下表の通りです。なお、審理期間は調停手続と審判手続を合わせた期間です。

審理期間 件数 割合
1か月以内 242 2%
3か月以内 917 8%
6か月以内 2,235 20%
1年以内 3,849 34%
2年以内 3,016 27%
3年以内 709 6%
3年を超える 335 36%

遺産分割事件数―実施期日回数別審理期間別―全家庭裁判所
https://www.courts.go.jp/app/files/toukei/284/012284.pdf

遺産分割審判とは? まとめ

  • 遺産分割審判とは何ですか?
    遺産分割審判は、裁判官が当事者の主張や提出された資料に基づいて、遺産分割方法について判断し、決定する手続きです。
  • 審判に不服があるときは?
    審判の告知を受けた日の翌日から起算して2週間以内に不服の申立てをすることができます。
  • 相手と顔を合わせる必要がありますか?
    調停では、相手と顔を合わせる必要がありませんでしたが、審判では相手も同時に出席するため、相手と対面することになります。

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