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文化放送『くにまるジャパン 極』に小杉直樹弁護士が出演/482回テーマ 「子どものいない夫婦の相続」編 2018年06月26日
弁護士の小杉です。
本日の『くにまるジャパン 極』では、「子どものいない夫婦の相続」というテーマで、久しぶりに相続のお話をしてきました。
夫婦のどちらかが亡くなった場合は、配偶者が相続人となるというのは、ほとんどの皆さんが知っていると思いますが、これには条件があり、婚姻届を出している必要があります。婚姻届が出ていれば、夫が亡くなれば妻が、妻が亡くなれば夫が必ず相続人になります。
婚姻届を出していない、いわゆる内縁関係だと、相続する権利は全く発生せず、何十年、夫婦として暮らしてきても、最終的に1円も遺産を受け取れない状況になる可能性があります。いろいろな事情があると思いますが、相続をスムーズに進めたいのであれば、婚姻届は出しておきたいところです。
婚姻届の出ている配偶者のほかには、子どもがいれば子どもが相続人になります。子供がいない場合は、亡くなった人の両親が健在であれば両親に、両親がいない場合は、兄弟、甥や姪も一緒に相続人になります。
そこまで広がると、いざ相続というとき、疎遠になっていて連絡しづらい相手というのも出てきそうですが、相続人であることには変わりありません。相続人同士で遺産分割の話し合いをしないと、自宅の名義も変えられず、銀行にあるお金も下ろせなくなる可能性があります。
相続人が行方不明で連絡が取れないという場合は、さらに大変で、裁判所で「遺産分割調停」を申し立てなければならなくなります。こういった問題を避けるためにお勧めなのが、遺言です。
遺言があれば、相続にまつわる様々なトラブルを、かなりの部分、避けることができます。特に子どものない夫婦で、お互いの両親も亡くなっている場合は、遺言によって全部の遺産を配偶者に残すこともできます。
子どもがいたり、お互いの両親が生きている場合は「遺留分」というルールによって内容が制限されます。いくら全財産を配偶者に遺すという遺言を書いても、法律で定められた一定の割合は、子どもや、亡くなった方の両親の請求に応じて渡す必要があります。
遺留分は遺言よりも優先されますが、兄弟や甥、姪には遺留分はありません。そのため、子どものない夫婦で、お互いの両親も亡くなっている場合に、遺言で夫または妻に全部相続させるとしておけば、他の相続人に遺留分が発生しないので、すべての遺産を配偶者に遺すことができます。
子供のいない夫婦では、お互いにこうした遺言を作成しておくと、少なくとも自分の配偶者については、遺産分割の手続きで煩わしい思いをさせることがなくなります。
実際に遺言を書く場合は、法律で決められたルールに従って書く必要があります。今日の話のように「全財産を妻に相続させる」といった単純な内容なら自分で手書きしてもいいのですが、せっかく書いても法律的に無効だともったいないですから、念のため、弁護士など専門家に相談するのをお勧めします。
【出演情報】
◇日時
毎週火曜 9:45~
◇放送局
文化放送(関東エリア)
◇番組名
『くにまるジャパン 極』
◇コーナー名
「得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室」
◇482回テーマ
「子どものいない夫婦の相続」
◇出演
番組MC 野村邦丸さん
番組パーソナリティ 鈴木純子さん
法律事務所ホームワン 小杉直樹 弁護士
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